
関税
関税は時代とともにその仕組み運用が変わってきています。特徴を理解することは特に輸入では重要です。農産物や繊維製品などで関税は大きな存在ですが、海外でもその国の事情により高率の関税が課せられている品目(特に農産物)はあります。
関税
関税の意義
税関の見解の趣旨は以下のとおりです。
「関税は今日では一般に”輸入品に課される税”として定義されています。関税が課せられると海外品はその分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから国内産業保護という機能が生まれます。現在ではこの産業保護が重要な関税の機能となっています」
関税と輸入消費税
関税は国際貿易の活性化などの理由で撤廃される物品も増えていますが輸入消費税はかかります(消費税と地方消費税)。関税がゼロでもかかります。そして関税がなくても輸入消費税を納付しなければ輸入許可はおりません。
納付の仕組み
関税と輸入消費税は一括で税関に納税します。はっきり言ってきついです。事前に計算しておかないと資金繰りに影響します。
税関ではリアルタイム口座振替方式という仕組みを用意していて、指定された口座から関税消費税を自動的に引き落とす仕組みがあります。通関業者は関税消費税の立替をせずに済むので輸入者にこれの利用を勧めることがあります。ちなみに弊社は利用していません。
関税課税の仕組み
HSコード/統計品目番号
貿易/輸出入ではHSコード統計品目番号(HSコード)によって全ての物品がカテゴライズされています。このコードは世界共通の仕組みです。このコードに則って各々の国が関税率を規定しています。HSコードは例えば関税の減免税を受けたりする時に非常に重要な情報ですのでなるべく把握しましょう。
関税税率と計算
関税は基本的に輸入申告に使われるインボイス額に関税率を掛けることで算出します。外貨建て(USドルなど)の場合は外貨✕関税率でまず算出しその後税関が週ごとに発表している換算レートを掛けて円で出します。ただし商品製品や申告の状況によって計算の仕方が異なりますので通関業者などと相談してください。
輸入消費税と計算(基本的な考え方)
輸入申告額が100万円、関税率10%で関税10万円と算出されたとします。その輸入消費税は
1,000,000円(申告額) + 100,000円(関税分) x 10% = 11万円 です。
したがってこの100万円の輸入では関税・輸入消費税合わせて21万円を税関に納付しなければなりません。この消費税の計算を念頭に入れておかないとそれこそ資金繰りに影響します。
加算税
過少申告加算税
輸入申告の申告内容が適正でないとされた場合は原則として修正申告等により増加した税額の10%に相当する過少申告加算税が課されます。
無申告加算税
輸入申告が行われずに輸入された貨物について修正申告があった場合には、納付すべき税額の15%に相当する無申告加算税が課されます。
重加算税
「過少申告加算税」が課される場合で、輸入者が課税価格等について隠蔽や虚偽の申告をしていたときは過少申告加算税の額の計算の基礎となる税額に係る過少申告加算税に代えて、その税額の35%に相当する重加算税が課されます。
また「無申告加算税」が課される場合で、輸入者が輸入申告をしていなかったときは、無申告加算税の額の計算の基礎となる税額に係る無申告加算税に代えて、その税額の40%にあたる重加算税が課されます。
まとめ
関税は消費税区分が国内取引にないものを使うなどありますので輸入を始める時は税理士に相談してください。ただし関税は税理士の守備範囲外なので関税そのものに詳しい税理士はあまりいません。
