コンテナ輸送
海上輸送では多くの場合コンテナが使われます。海運業者に輸送を依頼する場合、これらの特性を輸出入者は知っているものとして接する業者もあり、このあたりの情報知識が十分でないと(業者はあまり説明しない)費用などで丸め込まれる危険があります。
コンテナのサイズ・規格
20フィートコンテナ
まず教科書とおりの説明です。”2軸・3軸”には後段で説明します。20フィートコンテナはドライコンテナ(普通のコンテナ)で最小のものです。(ジェトロのにおける情報を参考にしております)
外法寸法:長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm 自重は約2,400kg
コンテナの自重と最大積載重量を合わせた最大総重量 : 2軸シャーシ 約20,300kg 3軸シャーシ 約24,000kg
40フィートコンテナ
20フィートコンテナの倍のサイズです。
外法寸法:長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm 自重は約3,800kg
コンテナの自重と最大積載重量を合わせた最大総重量 : 2軸シャーシ 約24,000kg 3軸シャーシ 約30,400kg
容積ではどのくらい入るのか
繊維反物(カートン梱包)を扱っている弊社実績では20フィートですと22立方メートル 程度、40だと45立方メートル程度がだいたいマックスです。いびつな荷姿の貨物は容積ばかりくって思ったより入らないということがおこります。
2軸3軸4軸そしてドレーとシャーシ
ドレー
drayage と綴ります。貿易では湾岸系の物流とか輸送とかの意味で使われます。「ドレーの手配をする」ような感じです。輸出入者としては以下に説明するシャーシとヘッドの用意のことと考えて問題ありません。
ヘッド、2軸/3軸/4軸シャーシ
コンテナを運ぶにはトレーラーの手配が必要です。運転する部をヘッド、コンテナを載せる部をシャーシと呼び、2軸、3軸、4軸というのはシャーシの大きさ(タイヤのついている数)を言います。4軸が一番大型ということです。当然4軸のシャーシのほうが費用がかかります。2軸で十分運べるのに4軸を手配されたりしないようにしたいです。
ヘッドとドライバー不足
昨今、物流ではトラックドライバーの不足が慢性化しており「ドレーの手配」にも影響が出てきています。輸入では通関業者に早めに輸入事案があることを相談しないと納入先に納期通り納入できないことになりかねません。
コンテナであった弊社のトラブル事例
弊社と関係のない貨物のトラブルでデバンできない
コンテナには多くの会社の貨物が詰め込まれます。混載というです。当然他社さんの貨物についての情報がくるわけがありません。香港でのことですが、弊社の貨物が入ったコンテナである貨物で液漏れがあり、その事象解決のためデバン(コンテナから出すこと)が大幅に遅れたことがありました。
封印されたらもう出せない(輸出)
輸出申告がすみましたら貨物はコンテナに積み込まれそのコンテナは封印されます(そういう感じです)。ここで積載貨物に間違いがあったなどでそれを降ろしたいと言ってももう出せません。相手国についたら輸入者などに協力いただき貨物をシップバックしてもらうしかありません。ただし中国ではシップバックは事実上不可能です。
納品先にコンテナで納入できるか(輸入)
輸入した貨物をコンテナごと納入先に納めることがありますが、納入先の倉庫への道の道幅が狭くトレーラーが入れないことがありました。港湾倉庫から出荷する前に判明したので回避策を打てましたが当日だと大きなトラブルになっていました。
まとめ
コンテナは季節要因、例えば欧米のクリスマスや中国の旧正月などで需要供給のバランスが崩れることがあり(中国行きの貨物が増えたのにそのコンテナが中国に滞留するなどがあります)コンテナが逼迫して費用が高騰することがあります。国際物流情報には高い関心を持ちたいものです。